ブロックチェーンについて

ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨の話や、NFTなどについてのニュースを目にする機会はここ数年で急増しています。ブロックチェーンは、仮想通貨やNFTと密接に関係しています。

ブロックチェーンも仮想通貨の一つの種類だと思っている人も少なくありません。また、ブロックチェーンや仮想通貨に関連する用語は非常に多いため苦手意識を持ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事を読んでブロックチェーンの魅力を知っていただき、これからブロックチェーンでどんな世界が実現するのか興味を持っていただきたいと思います。

IndieSquareが開発したHAZAMA(ハザマ)はブロックチェーン同士を繋ぐサイドチェーンと呼ばれる技術に相当します。複数のブロックチェーンに跨るデータの管理・転送を安全に行うことを目的に発明した独自のブロックチェーン基盤であり、2020年11月に特許を取得しました。

今後のインターネットの世界を支える技術として、ますます活用が進む「ブロックチェーン」についてご紹介していきます。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、一言で簡単に説明するとすれば、安全にデータを記録できる技術です。ネットワーク上の取引の記録を、暗号技術を使って複数の場所で管理して処理・記録する技術」で、この技術はビットコインなどの仮想通貨に使われています。

ブロックチェーンという名前の由来

ブロックチェーンは分散型台帳とも呼ばれています。例えば、ネットワーク上で複数のコンピューターが取引を行った場合、そのいくつかの取引履歴(トランザクション)を一つのデータとしてブロック状にまとめます。複数のブロックをチェーンのように連結させて繋げることができる技術です。ブロックがチェーンで連なっていくことからブロックチェーンと名付けられました。

ブロックチェーンでは、過去の取引履歴はネットワーク上に参加しているコンピューターであれば誰でも閲覧することができます。また、少しでもデータを変えると取引内容の証明となるハッシュ値というものが全く異なるものに変わってしまいます。改ざん・不正をしたらすぐにばれてしまうシステムということです。

ハッシュ値については後ほど詳しくご説明しますね。

このように過去の取引履歴を改ざんできないので安全性が高く、互いに対等な立場で取引ができるなど、信頼性の高い取引を可能とする技術となります。

さらに、ブロックチェーンは取引データを複数のコンピューターにて分散して保管をするシステムのため、サーバーがダウンして動作が遅く、使用ができなくなってしまうといった心配もありません。一元管理型のクライアント・サーバー方式のシステムとは異なり、常に複数のコンピューターに情報が同期されます。そのため仮に一部のコンピューターが故障してデータを活用できなくなったとしても、他のコンピューターが同期された情報を保持しているため、全体のシステムの稼働には何ら影響がなく使えるようになっています。よくPCを使っているとアクセスが集中してサーバーがダウンしてデータの読み込みが遅くなったり、動作がストップしてしまったりということがありますが、ブロックチェーンの場合はそういった不安が解消できます。

ブロックチェーンはこれからの情報通信技術として活用が期待されています。現在は、ビットコインなどの暗号資産をはじめ、NFT(非代替性トークン)、食品や製造業のトレーサビリティ(追跡可能なシステム)、著作権保護、情報共有、スマートコントラクトなどさまざまな場面で活用が進んでいます。

ブロックチェーンの歴史

ブロックチェーンの誕生のきっかけは、2008年にサトシ・ナカモトという人物が発表した論文です。この論文でサトシ・ナカモトは「インターネット上の取引の支払いプロセスにおいて、第三者の銀行を頼らざるを得ない状態が問題だ」と指摘しています。

そして銀行という中央集権的な第三者を仲介する取引ではなく、当事者同士が直接支払いまで行うことができる仕組みを実現したいという目的でビットコインやブロックチェーンについて語っています。

この論文の発表後、サトシ・ナカモト論を支持するエンジニアが分担して開発をすすめ、約1年後にビットコインとブロックチェーンが誕生しました。

ちなみに、このサトシ・ナカモトは人種や性別などどのような人物なのかは謎に包まれています。個人ではなく、複数人のグループでサトシ・ナカモトと名乗っているのか、それもわかっていません。ビットコインやブロックチェーンの活用においてサトシ・ナカモトについてもっと知りたいという方は、以下からサトシ・ナカモトの論文がダウンロードできますので、ご覧くださいね。

英語版(原版):https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンは、データ構造だけでなくデータ管理の方法も改ざんを防ぐための仕組みが備わっています。ネットワーク内で発生した全ての取引が記録され、ネットワークに参加している全ユーザーと「台帳」を共有することで、情報の信ぴょう性を確保しています。

ブロックチェーンは、P2Pや偽造防止・暗号化、コンセンサスアルゴリズム、スマートコントラクトといった様々な技術が組み合わさってできています。

分散型台帳を管理するためのP2P通信

P2Pネットワークとは「Peer to Peer」の略称です。複数の機能に違いがないコンピューター同士(ピア)が対等な関係で通信し合い、データや機能を互いに共有・利用することができる通信方式です(もしくはこのような方式を利用しているシステムやソフトウェアのことを指します)。ブロックチェーンのネットワークはこのP2Pネットワーク方式が採用されています。P2P方式の場合、サーバーを経由しないでクライアント同士で直接通信をします。

これは、従来の通信方式であるクライアント・サーバー方式と仕組みが大きく異なります。

クライアント・サーバー方式のことを中央集権的とも呼びます。アクセスする側の「クライアント」と、サービスを提供する側「サーバー」の2種類のコンピュータによって構成されています。例えば、メールを送付する際、送り主は自分のスマホやPCからサーバーにアクセスして、サーバーを経由してから友人にメールを送るという仕組みです。 

このクライアント・サーバー方式の場合はアクセスが集中するなどしてサーバーやネットワークに障害が起きると、システム全体がダウンして停止してしまう可能性があります。ダウンまでいかなくとも、クライアントからの要望が増大しすぎると対処すべき要求が増え負荷がかかりすぎ、サーバーの処理が遅くなったり障害が起きることもしばしばあります。

また、一元管理型のシステムのため、一度ハッキングされると全ての情報が漏洩する危険性があります。

一方で、P2Pネットワークは複数のコンピューターが互いに情報を同期しながら稼働しているため、もし仮に一部のコンピューターがダウンしたとしても停止することなく通信し続けることができます。またハッキングに対しての耐久性もあり、情報を分散して管理しているため、一部のみハッキングされただけでは全ての情報の漏洩に繋がらないことも特徴として挙げられます。

このようにブロックチェーンは、P2Pネットワーク方式という互いが対等に取引ができる世界で行われる取引の記録であり、従来のネットワークとは異なり情報を分散して処理することができるため、安全性の高い仕組みで構築されています。

改ざんを防ぐために重要な役割を持つ「ハッシュ値」

信頼性の高いブロックチェーン上で、さらに安心して取引が行うことができるように、トランザクションはネットワーク内で誰でも見れるようにオープンにされています。それに加えてトランザクションは改ざんのために元データと異なるものを入力すると、それが一目でわかってしまう仕組みとなっています。

この改ざんを防止するために各ブロックを構成する要素として重要な役割を持つのが、ハッシュ値です。

トランザクション=取引情報は、ハッシュ関数を用いてハッシュ値というものに置き換えられます。ハッシュ関数とは、入力されたデータを一定の手順で計算することで、入力された値の長さに関係なくあらかじめ設定された固定の長さのデータを得ることができる関数です。どんな値を入力しても、同じ文字数の値が出力される関数ということですね。

ハッシュ値とは、ハッシュ関数で出力される値のことです。もとになるデータから一定の計算手順により求められる、規則性のない一定の長さの文字列の値です。同じデータからは必ず同じハッシュ値が得られる一方で、一つでも異なるデータを入力すれば、全く異なるハッシュ値に変わります。

したがって、すでに入力済みのトランザクションを加工しようとするとこのハッシュ値がもとの文字列と異なる形に変わるため、改ざんしたことが即発見できるようになっています。ちなみにデータを入力することで新たなハッシュ値を生成することは簡単ですが、逆にハッシュ値から元データを割り出すことはできませんので、そこも安心できるポイントとなります。

「マイニング」

ブロックチェーンは、もともと仮想通貨のビットコインを不正のなく取引するための記録台帳として作られました。そのため、P2Pネットワーク、ハッシュ値といった信頼性・安全性の高い仕組みのうえに成り立つ暗号技術といえます。これらの仕組みを活用して、対等な取引を行い、そのトランザクションを新たにブロックにまとめ、過去のブロックにチェーン状に繋いで記録していくのが、ブロックチェーン技術なのです。

それぞれの取引をブロック状にまとめる作業のことを「マイニング」と呼びます。このマイニングは、ブロックチェーン上の取引成立に欠かせない作業です。

マイニングの具体的な内容は「取引を承認すること」です。取引を承認することで新しい取引がブロックに追加され、チェーンに組み込まれていくという流れになります。

取引の承認(マイニング)が完了することでお金が移動し、取引が成立します。マイニングは取引を行う上で必須となる作業です。

マイニングを行う目的は、取引の正確性や安全性を強固にすることです。

ビットコインの取引は世界中で24時間265日行われています。日々膨大な量のデータが飛び交っていますが、クライアント・サーバー方式のように取引管理者が不在ですので、不正防止のためのP2Pネットワークやハッシュ値に加えて、このマイニング作業によって安全性を担保しています。

マイニングは10分ごとにマイナー(取引を行っていない第三者)が行います。AさんからBさんに○ビットコインを移動した」という取引を行う場合、取引を承認するために世界中のマイナーがこの取引のデータが本当に正しいのかを10分以内で確認します。データはかなり複雑で、正しい内容かどうかを確認して承認するにはマイニングに特化した専用の計算マシンが必要になります(ちなみに膨大な量の計算を短時間で行うため、非常に多くの電力を使用します)。

複雑な計算のため、承認は難しい作業です。そのため最初に取引を承認できたマイナーに対しては報酬として新たに発行されたビットコインが支払われます。このように承認作業によって、新しく発行されたビットコインを得る(=掘り当てる)ということでマイニングと呼ばれています。

複数人のマイナーが「この取引データは正しい」と承認することで、そのトランザクションは正式にブロックとして認められて、チェーンに加えられることになります。このようなフローでビットコインの取引は行われ、ブロックチェーンが成立しています。

ブロックチェーンの特長

ブロックチェーンの特徴について見ていきましょう。

信頼性とセキュリティ性が高い

ブロックチェーンは改ざんや不正ができない仕組みとなっています。トランザクションのハッシュ値を改ざんするために、元データと異なる値を入力すればすぐに改ざんがばれてしまいます。

またマイナーによって取引が正しいかどうか計算され、複数のマイナーが正しいと承認(マイニング)することによってやっと取引が成立するため、不正があると取引が承認されないため実行されません。

このようにセキュリティを高めるための仕組みがあるため、お金の支払いや情報の交換などの信頼性と安全性が求められるような場面でも安心して利用することができるのは大きなメリットです。

故障やエラーに強くシステムがダウンしづらい仕組み

ブロックチェーンはP2Pネットワーク上での取引履歴を記録しているため、システムダウンに強いです。一元管理型ではなく分散型ネットワークのため、もし仮に一部のネットワークがシステムダウンやハッキングによるトラブルで利用できなくなったとしても、他のネットワークは正常に稼働することが可能です。したがって全体が使用不能になるということはありません。一部でトラブルがあった場合でも情報処理を続けられる体制となっています。

また、複数のネットワークで情報処理・管理しているため、そもそもハッキングされづらいです。ハッキングする際、クライアント・サーバー方式のような一元管理システムの場合は一か所穴を作ってそこからデータを取り出せばよいですが、P2Pネットワーク方式の場合は情報が複数に分散して管理されているため、複数個所ハッキングしないといけません。ハッキングの難易度は上がりますね。

クライアント・サーバー方式と比較してコスト削減できる

クライアント・サーバー方式の場合は、システムダウンやハッキングを防ぐためにはトラブルに強いプログラムを構築する必要があります。プログラムの構築には当然ながら費用が掛かりますが、強固なサーバーを作成するとなると金額は上がります。

一方でブロックチェーンのようなP2Pネットワーク方式の場合は、各ピアが情報を処理するので高額なサーバーを構築する必要性はなくなります。したがって導入コストを非常に低価格で抑えることができます。

取引の透明性が担保されている

取引内容は参加者全てが閲覧可能なため、非常に透明性が高いといえます。取引内容は削除できないないため、トレーサビリティ(追跡性)という機能を活用して遡って内容を確認することも可能です。

ブロックチェーンにおける現状の課題

まだまだ開発中の技術であるため、ブロックチェーンには課題もあります。また、情報が全て開示されているという特性から情報の取り扱いには十分に注意しなければならなりません。現状の課題についても知っておくと安心です。

情報処理に時間がかかる

複数箇所で情報の処理を行っているため、中央集権型のネットワークと比較すると処理完了まで時間がかかります。取引量の増加によってさらに処理に時間がかかり遅延してしまう可能性は大いにあるでしょう。ビットコインの場合は、情報処理は10分ごとに行うようになっておりますので、例えば金融取引(電子決済やクレジットカード決済)のようにリアルタイムな決済はできません。

データの削除が不可

一度入力された情報は承認されるとチェーン状になって連続して記録されます。したがって入力された情報を削除したり後から修正をするということができません。不正の防止になる一方で、もし誤った情報を入力してしまったり、意図せず個人情報を入力してしまった場合でも削除ができないという事態になります。そのようにデータの修正に融通が利かない点はデメリットといえるでしょう。

取引データが増大し続ける

過去も含めて全てのデータを繋ぎ合わせて記録しているため、データは時間が経つにつれて増大する一方です。そうなりますと、情報処理にさらに時間がかかるようになってしまいます。

情報処理速度と障害耐久性のバランスがとりづらい

中央集権型の場合は情報処理速度が早くシステム障害体制が強いサーバーを用意することができれば、費用が高額になるものの安全性が高い取引を行う基盤を作ることができます。

しかし、分散型の場合は各々の情報処理能力に依存しているため、仮に一部情報処理速度が遅くネットワークがある場合は処理に時間がかかってしまいます。それを防ぐために情報処理速度の速い高スペックなピアのみを集めて少数精鋭で通信を行おうとすると、ハッキングなどのトラブルの観点から危険性が上がります。そのため、情報処理速度と障害耐久性のバランスが非常に重要です。

過半数の承認により不正を働くこともできる

取引は複数人が取引内容が正しいかを確認して承認するという流れだとお話ししましたが、そもそもこの承認者がグルになっていた場合は不正を働くことができる可能性があります。取引内容に誤りや不正があったとしても参加者51%以上の承認があればその取引は正常だとされて処理されてしまいます。

ブロックチェーンへの参加は自由なため、もしそのように悪意を持った集団が承認作業を行ってしまったら、取引内容の不正の有無にかかわらずデータの取引が完了してしまいますので、トラブルになる可能性は非常に高いでしょう。

ブロックチェーンの種類

ブロックチェーンは管理者の有無や情報の公開範囲の違いから、大きく分けて3種類に分類されます。その違いについてご説明します。

パブリック型プライベート型コンソーシアム型
管理者なし単一の組織複数の組織
ネットワーク参加者不特定多数組織の所属者特定複数
合意形成PoW、PoSなど組織内で承認特定者間の合意
承認速度低速高速高速
活用シーン暗号資産金融機関など金融機関など

パブリック型ブロックチェーン

パブリック型ブロックチェーンは、管理者が存在せず、インターネット上の誰でも参加できるため情報もオープンにされているブロックチェーンです。一般的なブロックチェーンのイメージはこのパブリック型ブロックチェーンのことを指す場合が多いです。ブロックチェーンの基本の型で、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨はこの種類です。

メリットは取引がオープンになっているので透明性が高いこと、管理者がいないため管理者の意向に偏ったルールや取引内容にならないことなどが挙げられます。

デメリットは新たなブロック生成のための承認作業に時間がかかること、情報がすべて開示されているため、プライバシーの保証がないことなどがあります。

プライベート型ブロックチェーン

プライベート型ブロックチェーンは、管理者が存在しており、参加できるのは限定されたユーザーのみに限られます。プライベート型は組織や企業内のやりとりに向いているとされています。例えば銀行間での取引や、企業内の業務管理などで活用されています。

メリットは情報が外部に公開されないためプライバシーが守られていること、不特定多数のマイナーが取引内容を承認するマイニングが必要ないため、取引の処理がスムーズで時間がかからないことです。

デメリットは管理者がいるため、取引の透明性や平等性がないこと、管理者側のシステム異常やその他何らかの問題が起こった際に処理作業が滞ってしまうことなどが挙げられます。

コンソーシアム型ブロックチェーン

コンソーシアム型ブロックチェーンは、パブリック型ブロックチェーンとプライベート型ブロックチェーンの中間に位置します。複数の管理者が存在しており、参加者は限定されたユーザーのみに限られます。コンソーシアム型は、パブリック型とコンソーシアム型両方の良いところを兼ね備えているといえるでしょう。

IndieSquareが開発に取り組んでいるのも、コンソーシアム型ブロックチェーンの領域です。

特徴はパブリック型と比べると参加人数が少ないため、取引処理にかかる時間が短縮することができます。また、パブリック型と比較するとルール変更の際に一定数以上の合意が必要となるため、ある程度の透明性は担保されています。複数の企業や組織が管理者となり運用していくため、セキュリティ面では一番強固であるといえます。

ブロックチェーンとビットコインなどの暗号資産の関係性

ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨=暗号資産といいますが、これらはブロックチェーン上に構築され、アプリケーションでやりとりされるデジタルデータのことです。暗号資産とブロックチェーンは密接に関係しています。

暗号資産はブロックチェーン上で取引される

ほとんどの仮想通貨はブロックチェーン技術で成り立っているので、安全性が担保されています。また、円・ドル・ユーロといった法定通貨は日本銀行などの管理者が存在しますが、仮想通貨の場合は管理者がいないため、発行量や金利の調整は行われないということも特徴的です。管理者が不在で、無限に仮想通貨を発行することは可能ですが、そのように無限に発行してしまうと仮想通貨事態の価値が低くなってしまうので、それを防ぐために発行枚数の上限を設定するなどの対策をとっています(ビットコインの場合)。

24時間365日取引が可能で、投資によって大きな利益を得ることができる可能性があることや、送金の手数料が安いことなどが暗号資産のメリットと言えます。

デメリットは紛失のリスクがあること、ハッキングの被害に合う可能性があること(現在は以前よりセキュリティが強化されています)、値動きが激しいため購入のタイミングによっては損失が出てしまう可能性があることなどです。

暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンの関係は切っても切り離せません。ブロックチェーンは、もともと暗号資産を安全に不正なく送付するために作られた技術です。ビットコインやイーサリアムといった暗号資産の取引には中央集権型のような管理者が存在しません。管理者がいない状態で商取引を行うとなると、通常であれば秩序が乱れ成立しないでしょう。そんな中、安全に誰でも取引を行うことができることを担保するブロックチェーンの存在が必要不可欠とされています。

ブロックチェーンでできること

ブロックチェーンの活用は今後ますます加速することが予測できます。その一部をご紹介します。

契約を自動化「スマートコントラクト」

スマートコントラクトとは「契約の自動化」のことを指します。あらかじめ取引内容に関する条件をプログラムしておくと、契約となった際に自動で契約を締結・決済まですることができます。人を介さないため人件費が浮くだけでなく、人為的なミスもなくなりスピーディーに対応することができるので、承認作業の負荷がかからないようになるというメリットがあります。

取引の流れを追跡「トレーサビリティ」

トレーサビリティとは追跡可能なこと、もしくは追跡可能なシステムのことを指します。一例として、これまで多発していた、原材料・産地・消費期限といったようなデータの改ざんを防ぎ、食品に対する安全性と透明性の担保のために活用されている事例を紹介します。

ウォルマートの事例

アメリカのウォルマート(スーパーマーケット)は、IBMと連携して「IBM FOOD TRUST」という食品サプライチェーン追跡ネットワークを活用することにより、食品のトレーサビリティシステムに食品情報をブロックチェーンで記録することに成功しました。

これにより生産者から仕入れた食品を、加工者がどのように加工して、どこからどこへ流通業者が運んだのか?といったことをブロックチェーン上で記録・共有することができるようになりました。食の安全性や透明性を証明することで食品トラブルの防止に繋がりますし、仮に食中毒などのトラブルが起こったとしても、サプライチェーンの全ての記録を確認することができるので、どこに原因があったのか?を追究することも可能となります。

ブロックチェーン技術を用いた「証明書の発行」

また、ブロックチェーン技術を証明書に活用した事例もあります。開発元のLas TRUST株式会社は、卒業証明書や資格証明書、製品証明書や社員証といったこれまでは紙媒体で記録されていた証明内容を、ブロックチェーン技術を用いてネットワーク内で証明できるようにするという取り組みを行いました。

これまで学歴詐欺や身分証明書の偽装などの事件はよく世間を騒がせていますが、ブロックチェーン上に身分証明となる情報を記録することにより、そういったトラブルを防ぐことが可能です。

トラブル回避に役立つだけでなく、紙のコスト削減にも役立ちますし、証明書の発行・配布といった作業の手間を省くこともできます。またコロナ化禍において接触を避けたうえで内容の証明ができるため、ビジネスや生活において信頼関係を結ぶ上で非常に活用できる事例の一つです。

デジタルコンテンツの権利情報を管理「著作権」

ソニー株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・グローバルエデュケーションは、音楽などのデジタルコンテンツの権利情報処理を行う為のシステムの開発をブロックチェーン技術を用いて行いました。

現在のようなインターネット社会において、音楽の著作権は他者からの侵害を受けやすく、違法ダウンロードなどが横行し著作者が権利を守るためには自ら行動しないとならない現状です。

そういった現状を解決すべく、ブロックチェーン技術によって音楽の権利情報を細分化して記録することで著作権保護の実現に向けて動いています。作成した音楽の電子データの権利の証明を行ったり、過去の作品の著作物の情報を判別できるようにすることで、著作物の権利発生の情報の処理を行っています。また、ソニーではこれを音楽分野のみならず教育分野や映画・VRコンテンツなど様々な場面に応用していく展望です。これまでよく取り上げられていた芸術分野においての著作権保護に対して、追い風となる可能性は高いのではないでしょうか。

金融業界も注目!ポイントも仮想通貨に「キャッシュレス化」

三菱UFJフィナンシャル・グループがブロックチェーン技術を用い開発しているcoinは、共同運用している株式会社リクルートのWebサービス上での送金や支払いが可能となる予定の仮想通貨です。

飲食店予約サイトの「ホットペッパーグルメ」や旅行サイトの「じゃらん」、美容院などの予約サイト「ホットペッパービューティー」など現在も利用者数が多いこれらのWebサービス上で、1コイン=約1円で支払いなどの取引が行うことができます。

キャッシュレス化によるコストの削減やブロックチェーン技術による安全性の担保など導入の理由は様々ですが、このcoinが日々の生活に組み込まれることで仮想通貨やブロックチェーンという仕組みがさらに身近なものになることが予測されます。

働き方の常識が変わる?「DAO」

新しい組織や働き方として注目が高まっているのは、DAOです。DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略で、自律分散型組織です。一言でいうならば、社長や経営者、株主などの管理者がいない組織です。

管理者が存在しなくても、目標に向かってメンバーがそれぞれ価値提供をしすることで、事業を推し進めていく組織です。DAOによって、住んでいる場所や年齢、性別に関係なく背荷重で働ける世の中になります。雇用機会の創出や、発展途上国の支援、地方創生なども期待できます。

情報のインターネットから価値のインターネットに移り変わる時代の中で、ブロックチェーン技術は非常に重要な役割を持ち、これからの生活に浸透していくこととなるでしょう。

ブロックチェーンの活用によって、これまでは想像もできなかったような新しい情報通信やコミュニケーションのかたちが登場することでしょう。

IndieSquareも、ブロックチェーンスタートアップとして、私たちが暮らす社会を、そして未来をより良いものにできるよう開発を進めています。自分らしい暮らし方や働き方、好きなことや考え方をそれぞれが発信し、コミュニティを形成できる素晴らしい世界は、すぐそこまで来ています。

ガイド

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会社概要

会社名 株式会社IndieSquare
(IndieSquare Inc.)
設立 2015年08月
住所 東京都渋谷区渋谷2丁目2-17
代表者名 星野 裕太
メールアドレス info@indiesquare.me

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