NFTの証明バッジ「POAP」を知っていますか?

POAPという言葉を聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?実は、無料でもらうことができるNFTなのです。

POAPとは何か?POAPの特徴や使い道について、また、POAPを理解するうえで必要なイーサリアムとNFTについて解説します。

POAPとは?

POAP(ポープ)とは、「Proof of Attendance Protocol」を略したもので、何かのイベントに参加した証として与えられます。「NFT化された参加証明バッジ」と言い換えるとわかりやすいでしょう。POAPは、イーサリアムのサイドチェーンであるGnosisChainで配布されています。

POAPは、バッジ型のデザインになっていて、イベントに沿ったものやおしゃれなもの、可愛いデザインのものなどがあるため、コレクターも多く存在します。

イベントの主催者側はPOAPを配布することでコミュニティを構築することができます。一方、POAPをもらう側であるイベントの参加者は、POAPを集めることで参加イベントを記録に残すことができるのです。

最近では、2021年に大手スポーツメーカのadidas Originalsが、イベントの参加者にPOAPを配布し、adidasのメタバースへの参入が示唆されたことで話題になりました。adidasのPOAPは、先着順・数量限定であったため配布はすでに終了しています。

POAPを受け取る方法

POAPはNFTなので、ブロックチェーンプラットフォームの一つ「イーサリアム」のアドレスが必要です。POAPの受取に手数料は必要なく、イベントごとに簡単にPOAPを受け取ることができます。受け取ったPOAPはNFTなので売却することもできますが、イベントに参加したことの証明として配布されたものなので、売却することはすすめられていません。

 POAPの用途について

POAPがどのようなものなのか、なんとなくお分かりいただけたと思いますが、では、配布されたPOAPには実際どのような使い道があるのか、配布された側、配布した側それぞれの視点でみてみましょう。

配布された側は「コレクション」として使用

POAPの用途の一つとして、コレクションを楽しむという方法があります。

POAPのデザインは様々ですが、配布側が凝ったものにしているものも多く、コレクションするのに向いていると言えます。

デザインに関係なく、ただ単にコレクションを楽しむ人もいます。

他にも、自分が参加したイベントの参加履歴をPOAPを利用して作ることもできます。参加証があるということは、イベントに参加をしたという証なので「これだけの数のコミュニティに参加した」ということが客観的にわかります。

POAPは、自分のウォレットにコレクションされるため、履歴書やプロフィールの一部となります。

クリプトの世界では、コミュニティに数多く参加することで評価が高くなります。POAPを並べて参加履歴を作ることで、ホワイトリストに載ることを期待しているコレクターもいます。

配布した側は「認知度アップ」などマーケティングの一環として利用

配布側としては、POAPを配布することはコレクターに興味を持ってもらうというのも目的の一つですが、コレクター以外の人にも興味を持ってもらうというメリットがあります。デザイン性の高いPOAPを配布することで、POAPホルダーにインセンティブを付与することも可能です。

POAPはイベントに利用することもできます。イベントに使用した例として、デジタルアートの展示企画で配られたことがあります。他のアートイベントと連動してPOAPを配布し10個すべてコンプリートすると、有名アーティストの特別版NFTアートをプレゼントするというものでした。イベントを盛り上げるためにPOAPを利用するのもいい方法です。

仮想通貨のトレーディングや取引所、ICO情報のチェックが可能なサイト「Coingecko」では、日本のコミュニティに向けて七夕のイベント「CoinGecko 七夕NFT 2021」を開催しました。

毎日サイトにログインしてポチポチするだけでもらえる「キャンディ」と引き換えにオリジナルPOAPが配布されたのです。七夕祭りを楽しむカエルの可愛らしいデザインのPOAPです。

POAPの活用事例

POAPは、無料でもらうことができるイベント参加証明バッジです。POAPの配布がどのように活用されるのか、いくつかの具体例を紹介します。

勤勉さの証明

POAPはイベント参加の証ですが、POAPを多く保有しているということは、勤勉さの証になります。イベントに参加することでもらえるため、夏休みのラジオ体操スタンプカードと同じような役割を果たしているとも言えます。

ラジオ体操カードのスタンプが多いということは、早起きをして真面目に早朝のラジオ体操に参加しているということになります。POAPが多いということは、それだけイベントに参加しているということになります。そのため、POAPの数は勤勉さの証というわけです。

 POAP保有者だけが受けられる特典を用意

例えば、ある特定のPOAPを持っている人だけがNFTを購入する権利がもらえるなどの特典を用意することに利用できます。そのため、イベント参加でPOAPの配布がされる場合には、価値が上がる可能性を見越して必ずもらっておくことをおすすめします。

ファンであるという証拠

特定のイベントのPOAPが多いとなると、ファンの証ということにもなります。例えるなら、推しの握手会のチケットを第一回目から全て持っているようなものです。自信が属しているコミュニティ内においてのアピールにもなるでしょう。

政界でもPOAP活用が現実に

実際、政治の世界でもPOAPが活用されています。2022年5月、自民党の青年局が、会議・研修会の参加者に、その場にいたことを証明できる「POAP」を配布するという発表がありました。NFTやメタバースといった「Web3.0」を推進していくための取り組みの一つで、POAPを多く獲得した党員(会議や研修に多く参加した党員)に特典を付与していくといった計画もあり、NFT界では大きなニュースとなりました。

イーサリアムの特徴と仕組みについて

POAPを受け取るためには、イーサリアムのアドレスが必要です。そこで、イーサリアムについて解説します。

イーサリアムの基本情報

イーサリアムとは、暗号資産(仮想通貨)の中で知名度・時価総額共に2位を誇ります。ビットコインに次いで有名な暗号資産です。あまり詳しくないという方でも名前を聞いたことはあるという方も多いでしょう。

イーサリアム自体を通貨だと思っている方も多いのですが、厳密にいうとイーサリアムはプラットフォームです。イーサリアムで使用される通貨は、正しくはEther(イーサ)と呼びます。

イーサリアムの特徴として、取引承認にかかる時間の短さをあげることができます。ビットコインは約10分であるのに対して、イーサリアムはたったの約15秒です。承認に使うブロックの生成間隔が短いということは、短い時間で大量の取引を行うことができるということです。これは、イーサリアムの大きな強みであると言えます。

イーサリアムの特徴

イーサリアムのブロックチェーン上の情報は「いつ、だれが、だれに、いくら支払った」という仮想通貨の基本取引情報だけでなく、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムの記録と実行ができます。

スマートコントラクトとは、あらかじめ決められた設定によって自動で実行される契約を作れるシステムのことです。例えるならば、自動販売機も決められた金額のお金を入れることで自動で売買が実行されるという点では、スマートコントラクトであると言えるでしょう。

イーサリアムは、第三者の承認なしで効率のよい取引を行うことができるという点も特徴の一つです。事前に取引内容を決めることで、業務効率をアップすることができます。大手企業も、スマートコントラクトを活用したビジネスの構築を検討しています。

イーサリアムのスマートコントラクトは、ブロックチェーン技術を用いています。ブロックチェーン上に必ず実行履歴が記録され、契約内容通りに必ず実行されます。契約後に変更することは難しいのですが、契約の透明性が高いというメリットがあります。

発行上限と半減期がないことも特徴のひとつです。仮想通貨の中でもビットコインは、発行上限が設けられているためあらかじめ希少価値が出るように設計がされています。発行上限がある仮想通貨の中には、マイニングにも半減期を設けることで採掘される量の調整をする仕組みを有するものもあります。イーサリアムには上限も半減期もないため、継続的に安定供給が可能です。イーサリアムに発行上限がないことには、特に理由はないそうですが、今後上限設定される可能性はゼロではないようです。

イーサリアムの考案者について

イーサリアムは、カナダ人のヴィタリック・ブテリンによって考案されました。ビタリック・ブテリンがイーサリアムを考案した際、彼はわずか19歳でした。早い段階から暗号資産に興味を持ち、ビットコインマガジンの創設にも貢献したそうです。

独自のトークンの作成が可能

ERC-20というイーサリアム独自のトークン企画があります。このERC-20を用いることで、イーサリアムブロックチェーンと互換性のあるトークンを無数に作ることができます。トークンは、一元管理をすることも可能です。他の企画でもトークンの発行は可能ですが、トークンごとにウォレットを作成しなければなりません。

NFTについて

POAPは、NFTです。イーサリアムとも関係が深い、NFTの定義や意味を解説します。

NFTとは

NFTとは、Non-Fungible Tokenの頭文字をとって略したもので、日本語では「代替不可能なトークン」と訳すことができます。

デジタルデータは複製することが容易にできるため、今まではデジタルアートなどはオリジナルと複製品を見分けることはほぼ不可能でした。

しかし、トークンと呼ばれるブロックチェーン技術を使用することによってNFT、つまり替えが効かないトークンにすることが可能です。ブロックチェーンを使えば、データの改ざんをすることが非常に困難となるため、唯一無二の存在にしてそれを証明することが可能なのです。

NFTが注目される理由

NFTが注目される理由は、大きく分けて3つあります。

■希少価値が担保できる

NFTは唯一無二のものであることから、希少性が高いと言えます。珍しいものというだけで、価値が高くなります。ダヴィンチの絵、トレカ、有名野球選手のホームランボールなども例外ではありません。

NFTは、希少性が高いという点で注目度が高くなっています。簡単に複製することができるデジタルアートでも、NFTを発行することによって、所有者を明確にすることと希少性の担保の両方を叶えることができます。

■デジタル資産の所有者を明確にすることができる

デジタルアートやゲームの中のアイテム、音楽やトレーディングカードなどは、NFTが出来るまでは所有権を明確化することが困難でした。コピーとの違いを明らかにすることが難しく、証明することができなかったのです。

では、NFTによってどのようにして所有者を明確化することに成功したのでしょうか?それはブロックチェーンを利用することにより可能となりました。NFT化されたデジタル資産は、所有者が明確になり作品自体を守ることができます。

■話題性が高い

NFT作品は、高額取引されることが増えています。話題になることによって注目度がさらに増していくのです。

NFTで最も有名なものの一つに、Twitterの創設者ジャック・ドーシーの初ツイートがあげられます。約3億円という値段がつけられました。他にも、デジタルアートが約18億円で販売されたという例もあります。

NFTを投資商品として見ている投資家も増えており、今後も目が離せません。イベントに参加することによってもらえるPOAPもNFTです。数量限定のものも数多くあり、今では入手できないものも沢山あります。今後、NFT作品として高額で取引される可能性もあります。

まとめ

POAP(ポープ)は、何かのイベントに参加した証として与えられます。POAPは、「NFT化された参加証明バッジ」と言い換えることができます。バッチのようなデザインのものが多く、かわいいものが多いため、コレクションの対象にもなっています。運営側としても、POAPを発行することによって興味を持ってもらうという目的があります。POAPは、NFTであるという点もポイントの一つです。コレクションとしてだけではなく、今後は利用価値が高まる可能性があります。POAPを入手したら、手放さずに大切に持っておくことをおすすめします。

ガイド

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NFTで会員権を発行するってどういうこと?発行するメリットは?詳しく解説
NFTで証明書を発行するってどういうこと?発行するメリットは?詳しく解説

会社概要

会社名 株式会社IndieSquare
(IndieSquare Inc.)
設立 2015年08月
住所 東京都渋谷区渋谷2丁目2-17
代表者名 星野 裕太
メールアドレス info@indiesquare.me

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